五銖銭 背右廿白文

 今度の銭貨も白文である。「五銖銭 背右廿白文」である。「廿」の文字は、銭貨には「廾」とあるが、パソコンなどで表記できない場合もあるので、あえて「廿」とした。

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 上掲の画像を見てわかるように、「廾」というよりは「N」のような「Z」裏返しにしたような記号である。一説によると、「十」と「一」の組み合わせ、または「七」と「一」の組み合わせと見るむきもあるが、釈然としない。私は、ただ単に不能読でいいと思う。鋳銭工員に、特に識字率が高く、何事かを伝えようとしたと見るよりも、ただ戯技としたほうが腑に落ちる気がする。